医学生・研修医・専攻医へのご案内

初期臨床研修プログラム

病院概要

市立大町総合病院は、北アルプス後立山連峰の麓の大町市にあり、大北地域(長野県西部)と呼ばれる人口6万人ほどの二次医療圏の基幹病院です。昭和2年創立と長い歴史がありますが、病院機能評価3rdG:Ver.2.0を取得し電子カルテを導入するなど、常に最良の医療を提供するための努力を続けています。一年を通じて24時間体制で救急疾患に対応するとともに、療養病棟、訪問看護ステーション及び居宅介護支援事業所を有し、介護老人保健施設(虹の家)を併設するなどして地域に密着した医療を提供しています。また、信州大学附属病院の協力病院として総合診療科を開設し、初期及び後期研修医の受け入れを行いながら、プライマリ・ケアの充実を図り、あらゆる疾患に幅広く対応することに努めています。加えて、大北地域の災害拠点病院であり、御嶽山噴火の折にはDMATを派遣するとともに、長野県神城断層地震では被災者を収容し治療を行いました。
このほか、地域住民有志により「大町病院サポーターの会」が結成されるなど、地域からも応援されている病院です。

診療科目

内科/外科/産婦人科/小児科/泌尿器科/整形外科/皮膚科/脳神経外科/形成外科/眼科/耳鼻咽喉科/歯科口腔外科

許可病床数

一般病床 147床/療養病床 48床/感染病床 4床

プログラム責任者メッセージ

 当院は2008年に内科医が3人に減り、医師不足から危機的な状況に陥りました。総合診療外来や住民との対話集会など様々な取り組みで延命をはかりましたが、医師不足は根本的には解決されませんでした。そんな中、2014年に信州大学に総合診療科(関口健二特任教授)が設立され、その臨床拠点病院に当院が選ばれました。スタッフが当院に重点的に派遣され、多くの学生や研修医を受け入れ、教育を始めました。徐々に総合診療科のスタッフが増え、それに伴い他の専門科の医師も増えつつあります。
 超高齢化が進む大北地域は、高齢者医療、地域医療、総合診療のメッカであります。医療福祉資源の限られたこの地域では、それらを把握して多職種でチームとして協働する必要があります。時にドクターG的な診断力を発揮し、また臓器横断的に様々な疾患をマネジメントできなければうまくいきません。医療だけではなく、退院後の生活までを視野に入れて診療を行う地域に根ざした総合的な能力を持った医師が必要なのです。
 当院の初期研修では、他科をローテーション中でも、総合診療科が中心に全ての診療科が協力して行っている毎日の勉強会へ参加してもらいます。当研修では、将来何科に進むにしても必要な基本的な知識や診療技術・態度を身につけてもらい、地域医療を支えることができる人材を育てています。
 雄大な美しい北アルプスが間近に見える当院で、医師としてのスタートを切りましょう。

初期臨床研修プログラム責任者 高木 哲

先輩からのメッセージ

わたしは大町総合病院で約7ヶ月間、総合診療科の研修を行いました。総合診療科での研修は消化器、呼吸器、循環器といった科にとらわれず内科全般の様々な疾患を診ることができます。また、治療や必要な検査などの方針を指導医とディスカッションしながら自分で考え行うことができるため、総合的な内科の力を養うことができます。毎朝行われる勉強会・内科カンファランスでは研修医による症例プレゼンを行い研修医のときからプレゼンの技術が身につきます。当院は比較的小さな病院であるため自分の学びたい事を、診療科の垣根にとらわれず柔軟に行える病院です。

市立大町総合病院研修プログラム

研修の特徴

当院は199床の小規模病院であり、地域の診療所からの紹介を受けるのはもちろん、当院自身がかかりつけとしての機能も合わせ持った病院です。当院は信州大学総合診療科の臨床拠点病院として、多くのスタッフを配置し、研修医にマンツーマンでの丁寧な指導を行っています。こぢんまりとした家族のような医局なので、他科のドクターにも気軽に相談できる環境です。内科以外の科をローテーションする際も、総合診療科の豊富な勉強会に参加できるプログラムとなっており、将来何科に進んでも必要な、医師としての基本的な知識や診療技術、ジェネラルマインドを2年間じっくりと勉強してもらいます。それにより、将来の地域医療の担い手となることができる能力を持った医師の養成を目指しています。

研修の目標

  • 1 外来、病棟管理、退院調整、在宅医療など、主治医としての一貫した流れを経験し、他職種と連携してチームリーダーとしてできるようになる。
  • 2 一般外来、救急外来で様々な患者を経験し、患者の状態に応じた適切な診断、初期治療、専門家へのコンサルテーションを行うことができる。
  • 3 多くの疾患を併せ持つ高齢者の主治医として、専門家や他職種と連携し、適切なマネジメントができる。
  • 4 患者の疾患の背後にある社会的、心理的な要因も考慮することができる。
  • 5 各専門科において、何科に進んでも必要とされる基本的な知識や技術を習得する。

研修期間

研修1年目

4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月 1月 2月 3月
オリエンテーション  内科(総合診療科) 救急科 外来 精神科 産婦人科 小児科 選択科

研修2年目

4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月 1月 2月 3月
選択科 救急科 地域医療 選択科
※研修スケジュールは、一例です。
  • ①最初の数週間(2週間程度)は、当院の医師としての仕事を始めるにあたって戸惑わないよう、採血、注射などの基本的手技を習得しカルテ記載(電子カルテ)、臨床検査、超音波検査、レントゲン検査など病院内のシステムに慣れるためのオリエンテーション期間を設けています。
  • ②1年目は、患者の診察に際して、基本的な技術を習得するために、最初の24週を内科および内科総合診療で研修します。
  • ③一般外来研修は内科及び内科総合診療にて4週以上行います。
  • ④救急研修は、1年次・2年次に安曇野赤十字病院または信州大学医学部附属病院にて行います。
    また、研修期間中に当院において継続的に救急外来研修を行うことにしています。日当直は、指導医とペアで4-6回/月、行う予定です。
  • ⑤必修科目のうち精神科は北アルプス医療センターあづみ病院または信州大学医学部附属病院にて行います。
  • ⑥地域医療は研修2年目に4週以上とし、大町市八坂診療所又は、小谷村診療所で研修を行います。
  • ⑦選択科は、下記のとおり研修できます。
    市立大町総合病院(内科・小児科・外科・脳神経外科・整形外科・泌尿器科)
    信州大学医学部附属病院(内科専門科・外科専門科・救急科・麻酔科・その他の診療科)
    安曇野赤十字病院(救急科)
    北アルプス医療センターあづみ病院(精神科)
  • ※内科総合診療を研修する事により研修の充実を図り、研修到達目標を達成できるようにします。

研修スケジュール(内科例)

午前 症例検討会 早朝カンファレンス 早朝カンファレンス 全科救急対応レクチャー 早朝カンファレンス
午後 病棟 病棟 OJC
(EBM・ジャーナルクラブ)
病棟
家庭医療勉強会
病棟
救急対応勉強会
病棟
外来振り返り
カンファレンス
医局会 カンファレンス ジャーナルクラブ

※研修スケジュールは一例であり、希望を考慮しながら相談して決定します。

初期研修医募集について

お問い合わせ・書類提出先

市立大町総合病院 医療支援室 担当:横澤
所在地:〒398-0002 大町市大町3130番地
0261-22-0415FAX 0261-22-7948
E-mail:hospital@hsp.city.omachi.nagano.jp